しょうもない奴には愛想も糞もないが、 よくお越しにになられるお客さんに対しては、 サービス精神が旺盛なほうだと思う 試聴しているとき お客さんがスピーカーで直接音を出して試聴しているとき 得意のエレキギターを、 100ワットのアンプにつなげて、フルボリュームで、 その曲にあわせ、これまた得意のワンパターンの フレーズを奏でる。 または もう一台のプレーヤにて、 これまた得意のスクラッチプレイを 曲が始まった瞬間から、延々とこすりまくる。 もちろんお客さんの顔を見すえながら、テンポにあわせる。 このときの顔の表情は、ない。 ヘッドホンで試聴しているとき ノイズに近いジミヘンがよくやる車とかサイレンの音などの擬音を これまたさらに爆音で鳴らす。 このときの私の顔も悦にはいった感じを お客さんに見せる。 どちらの場合も、お客さんが聴こえないからと、ボリュームを上げる。 こちらも負けじと、プレイにも力が入る。 そう、やっぱりオリジナル盤は、大きな音で聴かなければ意味がない。 サービス精神が旺盛だと思う。 そこら辺においてあるレコードを見ているとき、 そのお客さんの”キラッ”と目の輝きが変わったときを 見逃さず、その手に取ったレコードを、おもむろに取り上げ、 ”あっこれこんなとこにあったんかいな。探してたんや〜” とか適当な事をいい、 カウンター内にしまいこみ、 お客さんが ”何でやねん!、売りもんちゃうんかいな。” と怒り半分と寂しげな感じになったところで、 私物の棚にそそくさとしまいこみ、 また次回に来たときに、何事もなかったように 同じ感じで置いておき、今度はちゃんと販売する。 お客さんに2度感動を与えている。 サービス精神が旺盛だと思う。 これはたまに違う人に売ってしまい、2回目がないときの場合もある。 それか本当に自分の私物で、しまいこんでしまうときもある。 サボリが目的で来店のお客さんには、 カウンター内のボンボンベットで休んでいただき、 ある程度時間が経過し、そろそろ仕事に戻らないと いけない時間になると、 我慢していたおならをにぎりっ屁にし、鼻の辺りに近づけ、 この世の終わりとも思えるような目覚めを演出し、 寝起きだと誰にも気づかれないような、はっきりとした 顔立ちにさせてあげる。 これでも夢の中の場合、霧吹き入れに入れてある レコードクリーナーをさっと顔にかけ、 びっくり飛び起きたところで、さっとタオルを出し、 ビジネスクラス顔負けの洗顔サービスもおこなっている。 サービス精神が旺盛だと思う。 サービスを受けている立場に立ったことがないので、 サービスの感想が知りたいとたま〜に思う。 まだまだ新しいサービスを、考案中だ。