話は最初の、黒入ったでのところに戻る。 私”ええのいっぱいありますわ。” ”そやろ、ええのいっぱいあるやろ、わしにはわからんけど” 私は心の中で?になり、(この人価値解からんと買いとったんか?) と思いましたが、そのときは、かまいもせず、黒レコを必死で抜いてました。 ひととうり見終え、80枚ほど選んで、脇にかためて、 私”こんだけありましたわ、なんぼくらいなんねやろ。” と言うと、○○店長はおもむろに、 ”自分詳しいやろ、信用してるから、相場の値段自分で付けて、その値段でこうて。” と言うではないか。 私は入荷したての自分の店の商品を買いに来たひとに、自分で値段を付けて買えという 一種の変則な、物流業界に波紋を投げかけるような○○店長のこの方法に感動してしまいました。 こんなことは初めてなので、かえってわくわくしてしまい、 ”ほんまにええんですか?ほんだら今日持って帰れるんですか?” との問いに、 ”もちろんや、今日持って帰ってもらうために早ようによんだんや” 僕はこの時代、よくレコード店を回っていたし、頻繁に通販等もやっていたので、 値段等の知識はあったのだが、全部が全部わかるもんでもないので、 ”相場わからんやつありますわ。これはどうしましょう” と言うと ”わからんもんて、何枚ぐらいあんの?” 私”ざっと見て7−8枚ですけど” ”そやったらわからんもんは、適当でええわ” 私”適当?” ”それかのけといてくれたら、いまわしがつけるわ。” なんやら意味不明の会話になってきたので、そこは急場をしのぐように、 相場がわかるものの値段を私は付け始めていった。 つづく